テクニカルなトレイルをより速く、より自信を持って駆け抜けるためのプロからのヒント

Emily Schaldach

見ているこちらが思わず楽しくなってしまう、よく笑う性格が魅力的なEmily Schaldachには、さまざまな大学が出場する全国大会での複数の表彰台を含め、MTBとシクロクロスで数多くの優勝経験があります。彼女は、デュランゴ(コロラド州)の象徴的なDEVOプログラムのコーチとしてMTBの新進気鋭のスターたちと関わり、ライダーがより速く自転車を楽しむために役立つ経験と知識を共有できることにやりがいを感じています。

IMPROVE YOUR MOUNTAIN BIKING SKILLS

数年前、MTBで砂漠を走ったときに何人かの友人がテクニカルなトレイルに挑戦するときの秘訣を私に尋ねました。この友人たちはMTBには不慣れだったものの、基本的なスキルは持っており、険しい砂漠の地形も通り抜けることができたので、少しのサポートとアドバイスがあれば全く新しい方法でトレイルを楽しむことができると、私は確信していました。

まずはMTBスキルの基礎を固めるところから始め、トレイルをもっと楽しめるように準備します。いくつかの重要なポイントをマスターすれば、ライディングがもっと速くなることを体感できるでしょう。私は数年前の砂漠旅行中に、3つのヒントを友人たちと共有しました。その後、これらのスキルのリストと説明の見直しを行いました。その中で、テクニカルなライディングに対する私の理解や視覚化の方法は一変しました。

通りたいラインを見つける

最初のヒントは、ラインの選択についてです。用意されたトレイルでは、私たちがより速くまたはよりスムーズに移動するために判断することができる無数の選択があります。トレイル上に転がっている岩や植物の根に目がいきがちですが、実際にはトレイルのどの部分を通りたいかにフォーカスする方が速く効果的です。つまり、トレイルの中の避けたいルートに注目するのではなく、自転車を走らせたいスムーズな場所を見つけるということです。

通りたいラインを見つけるときは、リアホイールが通る場所についてもよく考えておく必要があります。フロントホイールで岩や障害物を避けて進むのは簡単ですが、後輪がそれを踏んでしまうと結局速度が低下したり、自転車がぎこちなく揺れたりします。通りたいラインを見つけることができ、またリアホイールがどこを通るのかも忘れずに考えることができれば、トレイルのテクニカルなエリアも飛ぶようなスピードで駆け抜けることができるでしょう。

重心移動

2つ目のヒントは、体のポジションについてです。これは、自転車にコントロールされるのではなく、自転車をコントロールするためのスペースを作るという考え方です。特にMTBでは、上級者は常にサドルに座ったり身を浮かせたりしながら、自転車上の体のポジションを変えて起伏の多い地形を高速で進みます。

たとえば、トレイルの下りではサドルから立ち上がって肘と膝を曲げ、胸をハンドルバーに近づけながら自転車を押し出します。次に、岩や植物の根の上に乗り上げる必要がある場合はまずフロントホイールを持ち上げ、そして岩の上を移動する際に体重を前方に移動させてリアホイールを障害物の上に乗せます。逆に、トレイルの非常に急な坂を登るときは、サドル上で体重を前方に移動させ、肘を内側に動かして、よりコンパクトな姿勢でシートの上でホバリングします。

自転車に乗ったとき、自転車の上で体のポジションを変化させてみてください。前後、上下、左右に体を動かすことができると思います。これらのさまざまな動きを組み合わせることで、重心移動がいかに重要であるかを実感できるでしょう。

コーナリング

最後のヒントは、コーナリングについてです。直感的にハンドルバーで自転車を操縦しようと思うかもしれません。しかし、MTBのステアリングは、主に自転車全体を横に傾けることで行われます。コーナー、特に起伏のない平らなコーナーを回るときは、外側の足を押し下げながら内側の腕をまっすぐ伸ばして2つ目のヒントの体のポジションを練習をすることができます。これにより、体をより直立に近い状態にしたまま、自転車をコーナーの内側に傾けます。MTBにおいて、これはカウンターステアリングと呼ばれます。練習を重ねるうちに、このテクニックでコーナーを曲がる時に勢いが増しているのを感じ始め、コーナーを素早くスムーズに駆け抜けることができるようになるでしょう。

小さなコーナーやカーブでは、おへそからヘッドライトが出ているようなイメージで自転車を操縦してみてください。バーを回して操縦する代わりに、体幹を進みたい方向に向けるようにすると、あなたの自転車はその方向へスムーズに移動します。

MTBでこれらの基礎スキルの練習を始めたばかりのころは、忍耐力が必要です。何かを壊してしまったり、何かに衝突する可能性もありますが、それも練習の一部です。そういった経験が自転車の操縦や、よりテクニカルなトレイルを走り切る方法を学ぶ上で役立ちます。もしあなたがスキルの練習をするならば、ここで挙げたヒントを1つずつ順番に意識しながら取り組むことが最も有効だと思います。2つ目や3つ目のスキルに進む前に、まずは最初のスキルを習得するよう心がけてください。ライディングを重ねていくにつれてこれらのスキルの完成度も高まっていき、すぐに意識しなくても自然にトレイルを高速で駆け抜けられるようになります。

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